自転車のペダルを全力で漕いで野球場へと向かう。 額から汗が滲み出ていても気にしない。 早く。 早く 一秒でも早く彼らに会いに行きたいから。 こんなにも運動したのは久しぶりで、ガクガクになった足で、ようやく着いた野球場の自転車置き場 “カキーンッ!” 金属バットの音が聞こえてきた。 今、どっちの攻撃? 不安と期待を胸に抱き、ドキドキしながら球場の応援席へと駆け上がった。