真知との電話を終えて、新着メールを問い合わせてみるものの、無機質な液晶画には


【新着メール0件】の文字が出てくる。


わかってはいたがやっぱり辛い。


彼からメールが来たのは3日前。


『出張で7時の新幹線に乗らないといけないからモーニングコールして』という、なんとも駒使いのようなメールだった。


私も朝は強い方法じゃないけど、彼からの珍しい頼み事。


そんなことでしか連絡がこないけど、全くこないよりマシなのに。


「愁のバカ……」


呟いた途端に夕方、会社前で見たスーツ姿を思い出す。


あのスーツの温もりが恋しい。