「松岡に平田に山川、それから魚住も狙ってるって話だな」


「そんなに……」


もしかしたらもう誰かが彼女を口説いてるかもしれない。


「今度の飲み会で皆近付こうって、意気込んでるぜ?」


「その飲み会、俺も参加するから」


「珍しいな。お前が飲み会参加だなんて」


俺の目的がわかったのか、坂井はニヤニヤしながら「幹事に言っておく」とその場を後にした。






「愁?」


「悪い、起こしたか?」


彼女の髪を撫でながらそっと唇を落とす。


愛しくて愛しくて、やっと手にいれた大切な存在。



「愁、好き、だよ」


「俺も好きだよ」