「大方、俺が浮気してるって思ったんだろ」


愁は「この早とちりめ」と私の頬を軽くつまんだ。


「ごめんなさい」


「本当だよ。プロポーズしようと思って意気込んでたのに勝手に勘違いして帰りやがって。本当、マヌケだよな」


「ごめんって!!でも愁も誤解させるような電話してるし、抱きしめても抱き返してくれないし……」


「確かに誤解させたのは俺が悪いけど抱きしめてくるのはお前が悪い」


私!!なんで!!


「最近仕事が忙しくて滅多に会えなかったのに無防備に抱きついてきて、大事な話しなきゃいけないのに……反応すんだよ!!男っていうのは!」


反応?


その意味を理解して顔が熱くなるのがわかる。


「なっ、なっ、何言ってっ!!」


「ゴホンッ…七穂。それくらい好き。愛してる。結婚しよう、なっ?」


愁は私が、なっ?、というセリフを拒否しないことをしっている。


「愁が好き」


優しく微笑んだ愁にキスを落とされて甘い夜は更けていった。



End