隣のクラス―――いじめなんてただ事じゃないな。
俺は壁の向こうにある隣のクラスを見つめた。
「どうしたんですかー?陽君」
「いや、ちょっとな」
「もう席に着いた方がいいですよー。うちの担任うるさいですから」
そう了に言われ、俺たちは席に着いたと同時に担任が入ってきた。
(了の言った通りだ。本当に来たぜ…)
担任が教卓につき、点呼をとりSHRを始める。
「今日の1限目の体育はD組と合同だから、皆遅くれるんじゃないぞ!」
そう先生は言い残し、教室から出た。
女子の生徒は皆、ジャージを持って女子更衣室へと教室から出た。
残された男子は教室でジャージに着替える。
「あれ?」
俺はかばんの中を見る。
「陽、どうした?」
右隣の席の昌太が尋ねる。
「いや、今朝持ってきたと思ったジャージを忘れてきた」
「それはご愁傷様です」
前の席にいた了がからかいまじりに残念そうに言ってきた。
「誰か替え持ってきてない?」
「俺は持ってきてないですねー」
「同じく。尚弥は持ってきてるじゃないのか?」
昌太は尚弥に声をかける。
「あー、今日は持ってくんの忘れた」
尚弥は頭を掻きながら、悪いなーと苦そうな顔をする。
(尚弥も持ってきてないとすると…)
家までとりに帰る事になるが1限の体育が始まるまで時間がない。
なので結論、サボることに決めた。
「俺、1限サボるわー。ジャージねーし」
「そうか。じゃあ体育の山田に伝えておく」
「そのままんま、伝えておかないでくれよ」
と苦笑する俺。


