「あっ、優斗。今度、買い物連れて行ってくれるかな?」


「どうして?」


優斗は抱きしめたまま聞いてくる


「スケッチブックとか買いたくて…」


すると優斗は一旦、あたしから離れ…


棚から紙袋を取り出した


「これ…。渡し忘れてた。開けてみ?」


言われた通り、開けてみると。


中には新品のスケッチブックと鉛筆、色鉛筆が入っていた


それはまさにあたしが欲しかったもの


「夕依を見送りに行った帰りに買ってて渡しそびれてたヤツ」


なんてこの人は優しいのだろうか。


「良いの?」


「もちろん。杏莉のために買ったんだ」


「ありがとう」


あたしがお礼を言うと再び抱きしめられる


「優斗って温かいね」


「そうか?」


「うん。凄く安心する」


あたしは人の温もりを求めていたから。