【完】想うのはこれから先も君ひとり

「博樹さん、未鈴さん、連れて来ました」


「杏莉ちゃん、ありがとう。とりあえず座りなさい」


俺は杏莉が座りやすいように支えた


「貴方が優斗なのね。」


母さんらしき人はそう尋ねた


俺は小さく頷くだけ…。


母さん達の顔を知らないからどう接して良いか分からない


「優斗、ごめんな?もう少し早く迎えに行ってれば…」


親父らしき人はそう言って謝った


「優斗、言いたいことがあったら言って良いんだよ…?」


杏莉は優しく声を掛けてくれた


言いたいこと、聞きたい ことはたくさんあるのに言葉にならない


「なぁ、どうして俺を捨てた?」


最初に出た言葉がこれ。


「捨ててなんかない。預けただけだ」


「捨てたも預けたも迎えに来なかったら一緒じゃねーか。」


感情のコントロールが出来ない