【完】想うのはこれから先も君ひとり

姉貴に案内され家へとやって来た


もちろん、杏莉の手は握ったまま。


「優斗、着いたわよ。お父さんもお母さんも貴方を待ってるわ」


「未優さん、先に行ってて下さい。優斗を連れて後から入ります」


「分かった。杏莉ちゃんに任せたわ」


姉貴は先に入って行った


「優斗…?」


「杏莉、ごめんな?」


なんか申し訳なくて謝った


「謝らないの。大丈夫だから…」


ギュッと抱きしめて背中をさすってくれた


杏莉にさすってもらうと安心する


「優斗のタイミングで行こうね。急げとは言わないから」


杏莉はちゃんと俺のことを考えてくれている


「傍に居てくれるか?」


「もちろん。だから心配しなくて良いよ?」


本当は行きたくないけど行かなきゃいけないな。


杏莉に小さく頷き手を握って家に入った