「優斗?杏莉ちゃん?」


俺達に声を掛けたのは姉貴


「未優さん!!」


杏莉は姉貴の顔を見て嬉しそうだ


「優斗、杏莉ちゃんを借りて良いかしら?」


「はっ?」


会っていきなりそれかよ。


「そんな不満そうな顔すんなよ。杏莉ちゃんとお話ししたいの」


姉貴の口調が怖くなってる


こうなった時の姉貴には逆らえない


でも、俺だって不安になるんだよ。


杏莉と離れるのが怖い


杏莉が離れて行きそうで。


「杏莉、帰って来るよな?」


挙げ句の果てにはこんな事まで口走ってるし


俺らしくない。


そんな俺の表情を見抜いたのか…


「大丈夫。あたしはちゃんと戻って来るよ?優斗の傍に居たい。だけど、未優さんに相談したい事もある」


と言いながら小さい身体で俺を抱きしめてくれた