【完】想うのはこれから先も君ひとり

俺は恥ずかしい気持ちを抑えるために杏莉を抱きしめた


「優斗、どうしたの?」


「ん?杏莉を抱きしめたくなっただけさ。」


俺だって本当は不安なんだ


まだまだ未熟な俺…


杏莉の役に立ってるんだろうか。


それに、杏莉が両親に会ったってことは近々、俺も会わなきゃいけない


そんな俺の表情を見て分かったのか…


「今度は優斗の番だよ?」


「えっ?」


「あたし、未優さんと初めて会った時に話してたこと覚えてるんだからね」


そういえば杏莉って記憶力良いんだよな


「優斗が居たからお父さんに会えた。だから、今度はあたしが優斗の役に立つ番」


杏莉は真剣だった


「とりあえず、お腹すいたなぁ」


俺の気持ちを紛らわせてくれてるのが分かる


だから、途中で話を打ち切ったんだ