【完】想うのはこれから先も君ひとり

「優斗、今日連れて帰るんでしょ?」


俺は小さく頷いた


話さなきゃいけない。杏莉に…


どんな返事をしてくれるか分からないから怖いんだ


そして、杏莉を連れて帰って来た


「優斗、今日はありがとう。」


「俺は何もしてない。杏莉が頑張っただけさ」


「ううん。優斗が居なかったら前に進めないままだった。お父さんが居るって分かっても受け入れることが出来なかった」


そう言ってくれたってことは少しでも杏莉の役に立てたのかな?


「杏莉、話があるからちょっとおいで?」


「別れ話じゃないよね?」


不安そうに俺を見る


「大丈夫。だからおいで?」


俺は向き合うように杏莉を膝の上に乗せた


「杏莉、聞いてくれるか?」


小さく頷いてくれる杏莉


勇気を振り絞り話を切り出した。