【完】想うのはこれから先も君ひとり

「杏莉、ただいま」


「お帰りなさい」


ニコッと微笑んで出迎えてくれた


「杏莉、大志さんにあれ見せてあげな」


俺が言うと杏莉は恥ずかしそうに一冊のスケッチブックを渡した


大志さんは中身を見て驚いている


「貴方と一緒で絵を描くのが好きな杏莉は暇さえあればずっと絵を書いてるんです」


杏莉の代わりに俺が説明した


大志さんは黙って杏莉の書いたデザインやイラストを見ている


驚いたり笑ったり頷いたり…


杏莉は不安そうに大志さんを見ていた


「杏莉、このデザイン幾つか使って良いかい?」


「えっ…?」


まさかの発言に驚いている


「未優ちゃんと話してたようなデザインが描いてあるんだ」


“だけど、なかなか話してたようなしっくりくるようなデザインがなくてさ”


なんて呟いていた