【完】想うのはこれから先も君ひとり

「大丈夫じゃないだろ?」


誰も居ない公園に入り大きな木の下で抱きしめてくれた


「優斗…ごめんね。」


「杏莉が謝ることない。巻き込んで悪かったな」


あたしは小さく首を振った


「とりあえず、帰ろう。話はその後だ」


ホテルも近かったのが不幸中の幸いだった


痛い足を引きずりながらもなんとか部屋までたどり着けた


優斗は買い物した分もあたしの荷物もすべて持ってくれていた


「杏莉、座りな」


優斗に言われ大人しく椅子に座る


そして、あたしはキャリーバッグの中からポーチを取り出し優斗に渡した


「準備万端だな」


「あたし、良く転ぶから持ち歩いてるの。」


優斗に傷口の手当てをしてもらった


「はい。終わり。軽傷で良かったな」


「ありがとう」


あたしは優斗からポーチを受け取り直した