【完】想うのはこれから先も君ひとり

「元気にしてた?」


「うん。夕依こそ元気そうだね」


あたしは夕依と向き合うように座った


「杏莉が居なくなって寂しかったんだよ。多川先生から近況報告してもらってたけど。」


そう、あたしは何も言わずに転校した。


事情を知ってるのは先生達と夕依だけ…


「あの場所、窮屈だったんだ。瑠夏さんに話したら“おいで”って言われて場所変わったの」


それからあたし達は久しぶりに語り合った


「そういえば、杏莉って可愛くなってオシャレになったよね。なんか良いことあった?」


「別になにもないよ~」


「怪しい~。隠してないでお姉さんに話してみなさい」


夕依は同い年だけどお姉ちゃんみたいな存在


夕依の迫力に負けて話すことにした


「びっくりしないでよ?」


「大丈夫だよ。怒ったりしないから」


あたしはゆっくり話し出した