【完】想うのはこれから先も君ひとり

「行っておいで。」


優斗はあたしが言いたいこと分かってたみたいで後押ししてくれた


「あたし達は後から行くから杏莉は夕依とゆっくりしておいで」


瑠夏さんはあたしが行きたくても行けないことに気づいたみたい


「じゃあ、行って来ます」


あたしはゆっくり歩き始めた


「杏莉、これ持って行きな」


優斗が渡してくれたのはあたしの遊び道具


「ありがとう。」


「じゃあ、また後でな」


あたしは優斗から絵を描く道具を受け取り夕依のところへ向かった


東棟の空き教室


瑠夏さん達も使って居たという教室


――――ガラガラ


あたしはゆっくりドアを開けた


「杏莉!!」


「夕依、久しぶり~!!」


寺脇夕依(テラワキユイ)


あたしの良き理解者で気の合う子


活発で面倒見が良くあたしの補助もしてくれた人