【完】想うのはこれから先も君ひとり

「怖かったよぉ…っ」


思い出したのか俺にしっかり掴まり泣き出した


「あの時ね、男の人にキスされたり触られたりしたの。」


俺は杏莉の話を最後まで聞くことにした


「抵抗したかったけど、抵抗出来ずにされるがままだった。“これが優斗だったら嬉しいのにな”って何度も思ったよ」


嬉しいこと言ってくれるじゃん。


「最後に殴られて目を覚ました時、“生きてるんだ”って思った。でも…」


杏莉は言葉を詰まらせた


「それと同時に“何で生きてるんだろ?”とも思った。あたしなんて生きてても何も良いことないのに…」


……杏莉の心の葛藤


そして、耳を疑う言葉を口にした


「あの時、死んでしまえば良かったのかな…」


そう言うと杏莉は自分の身体を叩き暴れ始めた


どうしたら杏莉を止められる…?