【完】想うのはこれから先も君ひとり

「杏莉、これ。」

家に帰り優斗が可愛い柄の箱をくれた


「姉貴が杏莉にやるってさ」


そこには手紙もあった


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杏莉ちゃんへ


この箱、ヘアゴムやピンを入れるのに使ってね♪


また今度、ゆっくりお買い物に行きましょ。


未優より


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ほんの少しの文章でも温かみがあって泣きそうになった


「姉貴は杏莉のこと気に入ってるからなぁ。いろいろと買いたくなるんだってさ」


そう…未優さんは優斗ん家に来るとき必ずあたしに何か買ってきてくれる


あたしにとっても優しいお姉ちゃん


黙々と片付けをしていると優斗に抱き寄せられた


―――ビクッ


襲われた時のことを思い出して震えてしまった


……いやっ!!怖い


あたしは咄嗟に耳を塞いだ