夏休みも終わりに近付いた頃、愛花が家に遊びに来た


「愛花が来るなんて珍しいな…?しかも1人でなんて。」


今まで、優雅としか来たことなかった奴なのに


俺は2人分の飲み物を準備しながら聞く


「うん。ちょっとね…。優斗こそ寝れてないんでしょ?表情暗いよ?」


そう…。あれから杏莉のことが心配で気になってほとんど眠れてない


前の俺なら女なんてどうでも良かったのに…


「杏莉のことだよね?」


……えっ?


図星をつかれ顔を上げてしまった


「実はね、優斗が電話を掛けてきたあの日、杏莉はあたしの傍に居たの。」


「本当なのか?」


俺はコップを落としそうになった


「あたし、嘘はつかないよ。でもね、杏莉が“話さないで”って顔してたから“知らない”って答えたの」


愛花はゆっくり話してくれる