あたしは走って優斗君を追い掛けるけどなかなか追い付けなくて…


不安になり泣きそうになった


「杏莉?」


遠くを歩いていた優斗君はまた戻って来てくれた


「歩くスピード早かったか?」


あたしは素直に頷く


「ごめんな?こういうの慣れてなくてさ…」


あたしの頭を撫でながらいう


「行くぞ」


今度はあたしの歩幅に合わせて歩いてくれた


「本当に良かった?送って貰って…」


「…ん?大丈夫。優雅は途中まで愛花を送って行っただろうし」


でも、申し訳ないよ


「何でこっちに転校して来たんだ?」


「…えっ?」


何で聞くんだろ?


「あっ、話したくなかったら話さなくて良いからな?」


「瑠夏さんが“おいで”って言ってくれた」


あの人に出会わなかったら此処には居ない