【完】想うのはこれから先も君ひとり

「ねぇ、これから時間ある?」


「別に用事はないけど?」


「じゃあ、杏莉ちゃん、これから出掛けましょうか?」


何を言い出すかと思えば…。


「あたしで良いんですか?」


杏莉は不安そうだ。


「杏莉ちゃんだから良いのよ。優斗の目を見れば分かるの。今回は本当に好きになった子なんだって。」


姉貴にはバレてたか。


今まで付き合っていても楽しいとは思わなかった。


杏莉に出会って楽しいと思えるようになったんだ


「未優さん。優斗のこと何でも分かるんですね…」


少し寂しそうな顔をした杏莉


「親にもお兄ちゃんにも会ってくれないからあたしが分かってあげなきゃいけないのよね」


そう、俺には兄貴もいるんだ


年の離れた兄貴が…


でも、親と同様、兄貴にも会っていない