【完】想うのはこれから先も君ひとり

「何から何までありがとう」


満面の笑みでお礼を言ってくれた杏莉。


頑張って良かったって思える


「着替えておいで?その後に髪の毛してやる。」


「優斗、出来るの?」


“信じられない”という顔をした杏莉


「俺、これでも美容師志望だよ。丈瑠さんに憧れて…」


丈瑠さんに出会わなかったら夢なんて持たずにすごしてただろう


「夢か…。あたしはないかな。」


初めて会った時から感じてたこと。


たまに、杏莉は悲しそうな瞳をする


「今は夢がなくてもゆっくり見つければ良いよ。準備してこい」


杏莉は小さく頷き隣の部屋に行った


俺には何が出来る?


どうすれば、杏莉は笑ってくれるだろうか?


考えてみるけどなかなか思いつかない


寂しそうな杏莉を喜ばせてあげたいだけなのに…