【完】想うのはこれから先も君ひとり

「翼…(ツバサ)」


「久しぶりだな。杏莉」


優斗君はあたしの異変に気付き移動させ強く抱きしめてくれた


「なんで居るの?」


優斗君に抱きしめられたまま呟く


「ずっと探してたんだ。何も言わずに居なくなるから…」


あたしは昔のことを思い出してしまって震えが止まらない


「お取り込み中、悪いんだけどさ。お前誰?」


優斗君の口調が怖くなってる


「俺、立木翼(タチキツバサ)杏莉の幼なじみ。お前こそ誰だよ?」


翼も意地になって返す


「俺は辻岡優斗。杏莉と同い年で一応彼氏でもある」


「“一応彼氏”ってなんだよ。笑えるな。」


バカにしたように笑う翼


「俺が一方的に杏莉のことを好きなだけだ」


「杏莉はお前のこと好きじゃないのに付き合ってんのかよ?」


呆れた顔をしながら呟く翼