【完】想うのはこれから先も君ひとり

「ごめんね…ありがと」


「具合悪いのか?」


「ううん。ただバランス崩しただけだよ」


杏莉は何か抱えてるような気がした


何だろうな…俺と似てる感じがする


「杏莉、何か1人で抱えてる?」


「えっ?なんで…?」


「なんとなく…」


「何それ…変な人」


フフッと笑う杏莉


「愛花ちゃんのとこ連れてって?」


「あぁ、行くぞ?」


俺はゆっくり歩きだす


「待って!!置いてかないで…」

杏莉は寂しそうな顔をした


「置いてかれるの嫌い?」


“うん”と小さく頷く


「大丈夫。置いていかねぇよ」

「ほんと…?」


「俺、本当は優しいんだぞ」


「自分で言ってるし。本当変な人」


杏莉は俺に満面の笑みを向けた