21時近くなったので
私たちはお店を出た

夏の夜らしい
蒸し暑い空気が身体を包む
ちょっと騒がしい駅前通り

「じゃ、俺チャリだから。」
「お疲れ。」

直樹くんが帰っていく

「私も、今日純哉の家
泊まるから。ここで。」
「え、そうなの!?」
「悠斗くん、香乃子をよろしくね。」

それだけ言って
映奈と純哉くんも
あっけなく駅と反対方向に
歩いて行ってしまった。

思いがけず悠斗くんと
二人きりになってしまった

「次の電車、何時だろ?」
「とりあえずホームまで
行こっか。」

また少し緊張が襲って来て
なるべく平静を装いながら
悠斗くんと駅へ向かった