「あっ、美麗っ!」 家の前に立っていたのは善だった。 あたしの姿を見つけるなり、子どもみたいな笑顔になり、両手を振ってきた。 「お~、あったけぇ。」 善があたしのことを抱きしめながら言う。 触れる顔や手がとても冷たかった。 「ずっとここで待ってたの?」 「え?あぁ…うん。 なんか美麗来るんだなって思ったら楽しみでずっと外で待っちゃってた。」 ははっとちょっと照れ笑いをする善。 よく見たら、鼻、赤い。 ずっと待っててくれたんだ。