走って、走って、着いた場所は下駄箱。


「あんた……馬鹿じゃないの?
あんなこと言って、あんたがあいつらに目つけられたらどうするわけ?!」


「大丈夫です。
あたしは、自分が傷つくより、美麗ちゃんが傷つく方が…何倍も……辛いです。」



あぁ、ほんと…



こんなに馬鹿で真っ直ぐな奴、相当いないよ…。


「……とりあえず、学校…から出ましょう?
2学期最後だけど…ホームルーム……さぼっちゃいましょっか。」


柚乃が教室で叫んでたときと全く違う、静かな声で言った。


「ねぇ。」

「なんですか、美麗ちゃん。」



「あんた、教室で叫んでたとき、かっこよかった。
それに、嬉しかった。
ありがとう。」


あたしがそう言うと、柚乃はニコッと優しくほほえんだ。