「銀子さんは長浜先輩じゃなくて、俺の……カクテル目当てで来てくれてるんだ」




ここは“俺目当て”と見栄を張りたいところですが、銀子の馬鹿正直さを知っている勝平は本当の事を言いました。




もちろん、これも銀子へのアピールです。




「そうそう、勝平のカクテルって何だか……異常に美味しい気がする」




ほとんど酔いは醒めたとはいえ、まだ完全でもないし馬鹿正直なので、平気でこんな事もサラっと言ってしまう銀子でした。




“勝平”と呼び捨てされた事と“異常に美味しい”と言われた事に、勝平は自分でも驚くほどに胸が高鳴るのでした。