「あっ、コラ拓郎、銀子さんの手を離せよ」




勝平が慌てて後を追うと、フラーッと真治がその後に続きました。




勝平達が控室に入ると、すでに銀子に自分の上着を羽織らせた拓郎が、暖かい飲み物を用意しています。




「先輩、その人も連れてきたんですか?」




拓郎に言われて振り返ると真治と目が合いました。




「なんだよアンタ、ついてきたのか……」




呆れ顔の勝平に
「話は終わってないし、月森さんを一人でこんな所に置くわけには……。
 それに俺は、ずっと前から好きだったんだからな」
と真治は小声で言いました。