しかし、自分が居る時と居ない時で銀子の酔い方が違う事が、ふに落ちないのです。




(まさか、拓郎を気に入って色っぽくなっちゃったんじゃ……、ない……よな?)




嫌な汗がにじんできて、勝平の胸に不安が広がっていきます。




志郎は青ざめている勝平に気がつくと、からかうのをやめました。




「お前、どう考えてるんだ? 俺にはお前が現れて、銀子さんは安心していつもみたいに酔えたように見えたぞ」




勝平は志郎をジッと見ると
「まあ、そういう見方も……できるっちゃできます、よね。
 ……そっか、なるほど」
とつぶやきます。




そして、せっせと準備をしながら勝平は何かを考えているようでした。