｢もー来週にはクリスマスか～。｣

ふーっと溜め息混じりに溢した緋美の言葉に、私は目を瞬かせる。


｢････････そうなの？｣


携帯を開き、カレンダーを見て確認。



｢･･････あ、本当だ。｣


クリスマスは来週の日曜日。


｢あんた、まさか忘れてたの！？｣


すかさず緋美のツッコミならぬ怒号が飛んできた。


｢うん。忘レテマシタ。｣


私がそう言うと、緋美は深～～い溜め息を吐いて｢いい？｣と指を私の顔の前に突き出す。


｢あんたはもう、去年までと同じ感覚でクリスマスを過ごす訳じゃないんだからね？｣


･･････････。

？

その言葉に、私はレモンティーを飲みながら首を傾げた。


｢だから！凱那にはもう立派に彼氏がいるんだからね！あんたは彼女って立場なの、分かってる？｣


彼女･･･････

あ、そっか。希彩は彼氏で私は彼女。


･･･････なんか、くすぐったいな。


ってか私って、希彩の事が好きなのかな？

まだそこらへんは微妙に分かんないかも。


無言で考え込む私を余所に、緋美は話を続ける。


｢付き合い始めのカップルが、クリスマスっていう大イベントを一緒に過ごさないでどうすんのよ！？まだデートとかしてないんでしょ？だったら初デートはクリスマスにしなよ！ね？凱那！｣


急に私の名前が出て、話を振られていたのだと気づきハッと我に返った。


｢―――え？あ、うん･･･？｣

咄嗟に返事を返すが、いかんせん話が分からない私は語尾は疑問系になる。
だけど緋美は、私の言葉を聞いた瞬間パッと表情を輝かせ、

｢よし！初デートはクリスマスだね！あ、木菟駅はさ、クリスマスにでっかいツリーが出てライトアップされるからそこなんてどう？｣


｢――――――え、え？ちょ、ちょ････！？｣


パンっと手を打つと、どんどん話を進めていった。


な、何々！？何の話を･･････！！？