『遅れてごめんね!』



ケン兄が息を切らしながら入って来たの…。



私は思わず泣いてしまった。



『どうしたの?言ってごらん?』



この時、初めてケン兄と会話をしたの…。




「こんな私の顔でもキレイになりますか…?」



泣きながら、自分の顔に何重にも巻き付けられた包帯をゆっくりと取った…。




左目…。



瞼も眼球も全て抉(えぐ)り取られた醜い私の顔…。