【ニューヨーク】




ハナが身震いをする姿を見て、メイソンは静かにストーブを付けた。




「今から3ヵ月前…。彼はニューヨークへ戻って来たの…。」


『彼って…。あの写真の子をメイクした方ですか?』



再び、あの写真に引き込まれる。




「えぇ…。」



メイソンは視線をハナから外し、まだ熱いコーヒーを啜り飲んだ。




『違う国へ行っていたんですか?』


「えぇ…。日本よ…。」




頭に割れる様な痛みが走る…。



鼓動が激しく高鳴って、呼吸すら上手くできない程に胸が締め付けられる。




何か思い出せそう…。




確か私は交差点で車と衝突して…。