店を出ると外は薄ら粉雪が降り始めていた。



タメ息をつくと白く固まり消えてゆく。



「『今日は、ありがとうございました。!』」


ミリは元気良く、チカは寂しそうに声を合わせた。



それに笑顔で答えるマサキ…。



「ケン…。帰り気を付けろよ!」


「おぅ。また連絡する。」



ケンはそぅ言い残し、3人とは逆方向へと歩き出した。



『ケン君…。どうして井ノ頭公園の方に向かったんですか?』


「帰る前に軽く酔いを冷ます為に、いつも井ノ公に行くんだよ。」


『そぅなんですか〜。』




えっ?


1人?




「追い掛けなくていいのか?」


チカの背中を押す様なマサキの言葉…。




迷ってる暇も悩んでる時間もない。



『いってきます!今日はホントにありがとうございました!』


「チカ!頑張れぇ!」


『うん!ミリも今日は付き合ってくれて、助けてくれてありがとね!』




マサキとミリが手を振る姿に背を向け、チカは井ノ頭公園へと走り出した。