虹のような広い心で [下]

本当は責めてやりたい、でもそれがどうしてもできなかった


あたしには何も言うことができなかった


あたしの目の前で泣いている先輩を見て・・・


あたしと同じ目にあってた、でもあたしより恵まれてる


だって、親に言えたんだから・・・“転向したい”それだけの言葉を


あたしは言えなかったから。ママとパパにどうしても言えなかった


だから一人で悩んで精神ずたぼろになって今精神科へ通ってる


「あたし・・・今精神科へ通ってるんです」
「う・・っそ」

「もちろん先輩のせいじゃないと思います。でもそのせいでいっぱい母を泣かせました。だから、先輩・・・謝りに来てもらえませんか?母に謝ってください。謝罪してください」



ママを悲しませたことは、許さない


ママをどれだけ泣かせたか、あたしにも責任はある


でも、半分は佐原先輩の行動でママを泣かせた


「分かった。後日うちの母と謝りに行くから」
「お願いします」


もうようがないと思ったあたしは先輩に背を向けて、愁が待つ校門へ足を進めた