虹のような広い心で [下]

「今はやめたいと思うのかい?」
「今は思いません。いじめられたことによって、大切なものに築けたんです。彼女たちとなら乗り越えられるって、思えたんです」


今は、そなたたちのそばに居たい


「でも・・・っ、何度そう思おうとしても、学校へいくと白い紙に書かれたあの文字が脳裏を横切るんです」


そして、つい・・・筆箱の中にあるハサミを手にとって手首に近付けている


自分が自分じゃないみたい


「この手首の傷を見るたんびに思い出してしまう。あの時の、解放感を・・・」


苦しいほどに、死にたくなってしまう


「私はね、いろんな患者さんを見てきた。性行為に依存してしまった子、リストカットに依存してしまった子などをね。自分が自分じゃないっていつも言っていくよ。治ったと思って、話してしまうと。もろく崩れ落ちて、同じことを繰り返してしまう・・・」


あたしもその患者さんたちと同じなんだ


何度も死ぬことを選んでいる


あたしは死ぬことに依存しているのだろうか・・・


「それで大事な人、家族を失う子もいるんだ。そんな子たちを私はもう見たくないんだ」


みたくない。医師だって辛い思いをしている