虹のような広い心で [下]

愁があたしの前でかがんで顔を覗き込んできた




「どした?暗いぞ?さっきの木にしてんの?」
「あんなみっともないことしてごめんね。恥ずかしかったよね」





あたしはまた下を向いた




すると周りから声が聞こえた




「ねぇ、やっぱりあっちの子の彼氏なんじゃん?」
「えぇ・・・でも、じゃーさっきの子は。妹か姉の彼氏を取ってたってこと?」





双子じゃないよ




あたしはあたしだよ





「双子じゃないのに」
「ぷっ・・・っ」
「わっ笑ったぁぁぁぁぁぁ」




あたしの眼から涙がこぼれおちた