ーーー楠ちゃんSideーーー

 寒ーい!!!今日はミニスカートで損した。もう、何時間だろう。ショッピングに来たのにこれはなに!今日はついてない。疲れた!マジ泣きたいし。
 晴矢はいつ来るかな。地震なんかコワーイ!もう、限界かも。知らず知らず涙が頬から流れてくる。もう、たくさん泣いたんだけど!
いろんな人にメールを送っても、電車が止まっているから、助けてもらえないし、晴矢早く来いよ。お腹ペコペコ、マジ限界!マジ無理!
しゃがんで体を小さくして、少しも暖かくしないと。もう一回メッセージを送ろう。


普段電車で10分ぐらいでつくのに、明治通りで私はすでに40分歩いてる。歩いて帰宅する人で道路が人でぼったかしている。
 私は少しでも安心させようとメッセージを楠ちゃんに送りながら、走っている。
 まあ、私は陸上部だったし、身長も180ぐらいあるから、なんとか一時間位でついた。
 約束の出口で、私は遠い所で、一目で彼女を人々の中で見分けた。寒そうに小さく丸くなっている。なんかかわいそうだった。
 私が近くに行った時まで、彼女は気づいてなかった。私が目の前にいるのを見て、彼女はガバッと私を抱きしめた。
 彼女は震えながら、泣いている。寒いか、怖いか。わからない。顔も真っ白だった。
少し、慰めようと、離れようとしたが、彼女は更にギュッと締めてくる。 
 3月の東京は依然寒い。私は着ていたダウンっジャケットを彼女に掛けた。
来る時、走ったため、暑かったから、ぬいていた。
 毎日バイクに乗るから、いつも厚いダウンっジャケットとセーターを着ているから私はそう寒く感じないのだ。