「イデアの世界?」



「どうしてかなぁ。
同じ私なのに理解力がないのね…。

イデアの世界は私の心。あなたが考えている
全てはこの世界に蓄積されて、それが世界になってるの。」




ええっ。何それ、わくわくするじゃない…
何て言える程、私は余裕がなくなっていた。
むしろ、今はワクワクなんてするはずがない。




「普通の世界に戻るには、どうすればいいの?」



だって、
私の心の中にいるだけじゃ世界を疑問に思えない。
ずっと殻の中に閉じこもってる…
それって病気の一種じゃないのか?
そう思ったのだ。

するとソイツは悲しそうな顔をした。



「今、自分を精神病って思ったでしょ。」



「えっ…」



「いつも、色んなことに疑問を持っている私なのに…

私は私たちを傷つけたのよ!帰って……

早く帰ってよ!!」



帰るって…どこに帰ればいいんだ?
それくらいしか、今日の私は疑問を持たなかった。

今日の私は少し好奇心が弱かった。


とりあえず突っ立っていたソイツを放っておいて、
私はとりあえず家に向かうことにした。