Love Prince―18歳の初恋―【完】




家に着き、癒杏を部屋に寝かせてリビングへ。

母親に貰った缶ビールのタブを開け、勢いよく呑む。



「ちょっと…良いですか?」



陵介とリビングに来た杏奈ちゃんが、俺と両親の前に正座した。

「こんな悩み。恥ずかしいんですけど…」と、俯きながら言う杏奈ちゃんに、母親は「気にせずに言って?」と、声を掛けた。



「私たち3兄妹は…いつも3人が一緒でした。今でも癒杏とは毎日、会うけど、兄とはそうじゃない…。昔みたいな時間がなくなって、何だか彼女さんに嫉妬しちゃうんです…。私の…“お兄ちゃんだよ”って…っ…」



涙を隠しながら、本心を言った杏奈ちゃん。

気持ちが限界だったんだとわかった。