Love Prince―18歳の初恋―【完】

フロントガラス越しに、助手席で眠る癒杏を見ると、心が複雑。

俺には役に立てないだろう悩みが、この家族にはあって。

癒杏と杏奈ちゃんは、それぞれに悩みを抱えてる。



「はぁー…」



結婚したら、首を突っ込めるってわけでもないし。

ため息を吐きながら、運転席に乗り込んだ。

杏奈ちゃんは泣きながら来るし…どうしたものか。



「帰ったら、杏奈ちゃんと話すか…」



陵介に振り返りながら言うと、浮かない顔で頷く。

こいつもこいつで、考えてやってるんだろう。

…お前も寝てるなよ。

癒杏の頬をつまみ、エンジンを掛けた。

そしてゆっくり、アクセスを踏み込んだ――…。