杏奈が自宅を飛び出したと聞いて、急いで家を出た。
勘だけを頼りに捜し、見付けた場所は公園。
杏奈が話してた、兄妹3人の思い出がたくさん詰まった公園。
「…杏奈」
「…陵介…」
ベンチに座る杏奈に声を掛けると、思い詰めたような顔で、俺を見た。
杏奈は自分で涙を拭える、しっかりとした女。
でも、我慢をしてるんだとわかってる。
強がって、強がって。
自分の気持ちを堪えて、壊れそうになる。
「何でいつも、1人で泣くんだろうな」
隣に座り、抱き締めると、杏奈は涙を流さないように、唇を噛んだ。
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