Love Prince―18歳の初恋―【完】

「…誕生日会、どうなんだ?」



お兄ちゃんはため息を吐き、ダイニングテーブルに並ぶ料理を箸で突く。

莉央さんが止めさせ、私がお姉ちゃんに振り返った瞬間、“ガッシャーンッ!!”と、大きな音が響いた。



「杏奈?」



お兄ちゃんがお姉ちゃんを呼んでも、目に涙を溜めて、パスタやパンを取りに来て、シンクに投げ入れてしまう。



「杏奈――ッ!!」



痺れを切らしたお兄ちゃんが、お姉ちゃんの腕を掴み、止める。



「パパもお兄ちゃんも、誰も私の気持ちなんて、わかんないよ――っ!!」



しかし、お姉ちゃんはお兄ちゃんを振り払い、飛び出して行ってしまった。