Love Prince―18歳の初恋―【完】

「お、癒杏。パパだと思っただろ?」



「…何で、カズさんなのぉ…」



しかし、来たのはカズさん。

ママのお兄さん。

滅多に姿を見せない人。

お正月には、特に姿を消している人。



「これ、パパに渡しといてくれ」



「カズさんが珍しいね!」



「安心しろ。取引先から貰ったワインだ」



…やっぱりケチ!

貯金パパよりあるのにケチ!



「カズさん。私には自分のお金で何か買って?」



「結婚したら、マンションやる」



「……自分の所有物からじゃん……」



カズさんのケチは一生、直らないんだろう。

私は帰るらしいカズさんを引き止めるのも忘れ、ショボくれながら、見送った。