「指輪をお嵌めになられる手を、拝見してもよろしいですか?」



「どっち?」



「右」



私は先生に確認をして、右手を前に出すと、店員さんは薬指を指先で触れて、「9号で大丈夫ですね」と言った。



「浮腫みが出た時にも、良いと思いますので」



店員さんは、棚から取り出した指輪を、私の薬指に嵌めてくれた。

先生は自分でパパッと嵌めて、「どうだ?」と、私を見た。



「どうですか?」



答えに困った私は店員さん頼み。

店員さんは「そうですね…」と、私たちの顔と指輪を見比べて、違う種類の、細めの指輪を取り出した。