抱き締められたまま、時間だけが過ぎて行く。 「抱っこされてるみたい」 物心がついた時から、抱っこをされた経験がない。 疲れても我慢して、お兄ちゃんとお姉ちゃんに手を引かれて、歩いた。 置いて行かれないように、必死に歩いてた。 「物心がついてから、抱き締めてくれたの、先生たちだけ。パパはいつも、忙しかったから」 先生は私を離すと、膝に乗せてくれた。 額がくっつき、キョロキョロしてしまう私。 「それでも愛されてるってわかる」 でもそう言われて、恥ずかしさも忘れて、先生を見た。