小鳥が朝食を鞄に詰めている間、母はひたすら小言を言い続けた。

「…行ってきます!」

「あっ、小鳥!
もう…気を付けなさいよ!?」

慌てて玄関を飛び出して自転車に乗った。

こぎ出してしばらくしてから、慌てて急ブレーキをかけてUターンした。

「璃里ー!!」

小鳥が叫ぶと、すぐに扉が開いて玄関から璃里と美魅が顔を出した。

「忘れてたでしょ、璃里の事。」

「璃里の事、忘れてたでしょ。」

「「ひどい…」」

美魅と璃里はじとーっと小鳥を見つめている。

「ごめんごめん!!
行こ、遅刻する。」

小鳥が言うと、璃里と一緒に美魅も出てきた。

「美魅も部活?」

「違う。
応援に行くの。」

「今日は練習試合だよ?」

「だから。
璃里がちゃんと仕事できるように応援。」

美魅はそう言うと愛しそうに璃里を見つめ、璃里も嬉しそうに微笑んだ。

「…あぁそう。」

そうして三人は学校へ向かった。