その日から、クラスメイト達は姉様派や大将派と騒がなくなった。

「姉様♪
ここ分からないんで教えていただけますか?」

「大将も一緒に宿題しようよ♪」

それでも姉様、大将と慕う呼び方は変わらなかったが、クラス全体に柔らかい雰囲気がある事は確かだった。

「小鳥ちゃん、ヒロくんと仲良くする?」

「ひーくん、小鳥ちゃんと仲良くする?」

美魅と璃里の言葉には素直に頷けない二人だけど、校内の雰囲気まで二人に仲直りして欲しいムードになりつつある今、このままでは居られないだろうなという事だけは分かっていた。

「ヒロが謝ってくれたら考える。」

「小鳥の態度次第だな。」

そんな風に言っている間は、仲直りなど程遠い気がする4月だった。