同じ顔がぐったりしている生徒を挟み、左右から追い討ちをかける。

「「これって…」」

生徒の顔はどんどん青ざめ、左右のシンクロ顔はニヤリと笑顔を浮かべている。

「「終わったね。」」

スピーカーの様に頭にこだました声に、顔面蒼白な生徒はがくりと肩を落とした。

「立ち止まってんなよ。」

背後から声がして振り返ると、誰もいなくて思わず左右を見た。

「…嫌がらせかコラ…」

ドスの効いた低い声が下から聞こえ、下を向くと思いっきり睨まれていた。

下駄箱にぶつかる勢いで退くと、ふんっと声が聞こえた気がした。

「「終わったね。」」

またしてもスピーカーがこだました。

思わず耳を塞いで目を閉じた。

「はぁ~!?」

掲示版の方から不機嫌な声が響いてきて、耳を塞いだ手に力を込めた。