思いっきり背中を叩いたその人は、何ら悪びれた様子もなく私の腕に手を絡めてきた



「菜々ちゃーん!昨日すごかったんだってー!?皆の前で、あんなこと♪こんなこと♪………」


「……」



朝からテンションの高い深雪ちゃん



でも私の顔を見て動きはピタリと止まった



「あんたどうしたのその目は?」



昨日、帰ってからずっと泣いていた私は、見るも無残な顔になっていたんだろう



「なんでもない…」


「そんだけ不細工な顔してて、なんでもないことはないでしょう!!」



深雪ちゃん…


そこデリケートゾーンだからオブラートに包んで下さい



深雪ちゃんは難しい顔をしながら私のことを何度も覗きこんでいたけど



無理矢理話を聞き出そうとはしてこない



絡めた手に少し力を入れながら、まるで私を支えるようにして学校への道を一緒に歩いてくれた