「キスしたかったからしただけ」 斗真くんの言葉が廊下に静かに響く まったく悪びれた様子もない いつものクールな斗真くん いつもだったら嬉しいキス でも今日は違う あそこで あの場面でする必要があった? 「…なんで?あんな目立つところでしなくていいでしょ?」 「いいだろ手っ取り早くて」 「え?」 私が何がって顔をしてたんだと思う 斗真くんは私の顔を見て、綺麗だけどとても冷たい顔で微笑んだ 「わざわざ訳を話さなくても、もうあいつはお前に話しかけてこないと思うよ?」